現代文の勉強方法について

現代文(論説・論文を読む練習)

勉強の大目的

 科学と文学の文章を解釈できるようになることと考えましょう。科学の文章は論説、文学は小説が中心です(今のところ)。このページでは論文の構成を紹介し、読み方を理解するようにします。大学は研究論文を発表する場所ですから、それを書くことが最終的な目的です。文学を対象とした科学的な論文ももちろんあります。明示されていませんが、現代文(論説文)を勉強する目的の一つは論文を読むことと考えてください。

大学入試での目標

 ただし、入試で本格的な科学論文を読まされることはありません。入試で読まされる論説とは一般に、主張がある文章ですが、科学論文と言えるほどの証拠を示していないものが多いです。文章のみで説得する文章とも言えるでしょう(それが逆に難しい場合もある)。大学で論文を読み、書くための第一歩として論説を読めるかどうかをテストされるのです。

論文とは

 まず、研究者(代表は大学教員)が研究成果を発表する形式として論文は代表的です。あまり深く問うと科学論になってしまいますが、論文とは何かを簡単に説明します。(論文の教室)

論文の構成

 論理とは(論文の教室)、論文とは(理科系の作文技術)、どういう構成で書かれるのか(論文を書く若者のために)。みなさんが読まされる論説は、ここであげた論文のうち、文章中心でかかれるもの、専門的な用語などを用いていない一般人向けのもの、論文と同じ様なテーマだが、必要な要素を満たしていないものなどと考えてください。

論理的な文章の読み方

 「読む」(理解)することとは、自分の言葉で要約できることです。自分の言葉で簡潔にできるかどうかが理解の鍵です。入試問題を「解く」とはひとまず別のものです。

構成から読む

英文解釈要約問題精講

文面から読む

現代文読解の基礎講義、現代文問題精講

内容から読む

 

受験現代文特有の問いに答える

 

 

勉強方法論II

これから受験勉強を始める人に

■考える前に手をつけるな

これから勉強を始めようというとき、みなさんは何から始めるでしょうか。苦手科目の教科書を開くでしょうか。それとも本屋にいって参考書を選ぶでしょうか。

考える前に行動しようとしていたひとは、ちょっと待ってください。考える前に行動すると、時間を無駄にしてしまうことがあります。これは問題を解くときにも当てはまりますね。全体を見渡してから、行動しましょう。

■自力で計画を立てて頑張りたいひと
(0、受験校探しについてはこちら)

1、自分の実力を知る
  まずは、自分の実力を知りましょう。現時点での志望校の過去問*1の大問をどれかひとつ解いてみてください(たとえばこの下をクリック)。

  実力を知るというのは、偏差値を見ろ、ということではありません。もっと具体的に実力を計る必要があるのです。十分もあれば充分です。うまい。
  あ、これは解けないという前提ですのでご心配なく。手が止まってしまったらそこでやめてください。

2、何を知っていれば解けたのか

  重要なのはここからです。手が止まった部分や間違えた部分で、何を知っていれば解けたのかを考えるのです。
  数学で言えば、さっぱり手が動かないのか、とある公式を知らなかったのか、言われてみればそうだけどそんな発想ねえよ怒、なのか。
  英語で言えばあんな単語を知らなかったのか、単語はわかるけど文章が長すぎてよみ進めるうちに段々ワケわかんなくなってきたのか。
  暗記系で言えば、順番を覚えていなかったのか、基本的な用語をしらなかったのか、いやいやそんなマイナーな用語しらないよ怒、なのか。

こうして、自分が出来なかった原因を分析しましょう。それをノートに記録しておいてください。記録を基に今後の方針を考えましょう。

■一切全くとけなかった人
もっと易しい問題を解いてみましょう。

■何を読めば解けたのか―1つの本屋にある参考書からえらぶ

  知っていれば解けたという知識や解き方が、どんな参考書*2に載っているのかを探しましょう。すこし大きめの本屋に行ってみて下さい。
  ここで大切なのはただ問題がのっているような問題集を買わないことです。それは仕上げにつかう演習書です。
  知らない公式や用語がたくさんある段階で問題の解き方を勉強してもわからないことだらけです。それだと解答丸々覚えない限りとけませんね。
  インプットをしないうちにアウトプットの練習をしても全く時間の無駄です。特に暗記科目。
  これを勉強しとけば解けたなあ、という説明がたくさんある参考書を選びましょう。

*1:解説があるものにしてくださいね

*2:教科書系か、例題解説系

大学と受験科目のつながり

どうして勉強させられるの?

大学の学問と高校の勉強のつながりが強調されることはほとんどありませんね。これが分かれば大学の先生の出題意図や勉強が必要な理由がわかるかもしれません。私は高校時代に教えてほしかったです。。

そこで、社会科学系の学問について、つながりを見ていきたいとおもいます。

■大学で最も役に立つ受験科目は現代文

大学での勉強に最も役立つ受験科目は、現代文だと思います。
  大学での勉強の基本は、なんといっても研究とはなにか、を理解することにあります。大学のテストでも大体そういうことが聞かれて、論述させられたり計算させられたりします。
  それにはとにかく読むことが必要です。これを読めばすべてわかる、というものはありませんので…。

  文系の研究(教科書や論文)は、性質上、数式よりも言葉による説明が多く、文章を的確に読み書くことが何よりも重要です。けれど論文は長々としていて、結構難しくかかれています(数字や統計を扱う分野においても、まず文章を読むことが重要です)。

  現代だけでなく、社会や人に関する研究には数千年の歴史があります。すべての文系の研究のルーツは、先人たちが書いた古い古い本たちにあります(古典と呼びます)。古典から次々に様々な新しい学問が枝分かれしていくイメージです。
  そのため、古典には色々な分野の研究のもとになった、共通する考えが書かれていて、とても重要です。しかし、古典は難しい。

  研究にとってだけでなく、古典は社会人にとっても大切な教養です。いろいろな古典から、人類がどのような考え方で社会をつくってきたのかを理解することが、過去の過ちを繰り返さないためにも重要です。現代社会は一部の人に任せておけば社会や政治が動くような仕組みではないため、いち市民にとっても古典は大切です(一人の力なんて小さいものだ、と思うかもしれませんが、研究を読んでいくとそうでもないことがわかると思います)。
  しかし、古典はほんとうに難しい。あと例示しましょうか?よみ
ますか?

※ここで言う古典とは、平安時代の古文などではなく、様々な国や時代に書かれた学問的文章のことで、多くは現代日本語に訳されています(岩波文庫と検索してみてください)。

  論文や古典的著作ような、長くて難しい文章を的確に解釈・理解し、自分のことばで要約することが大学での勉強の第一歩です。

正しく理解できなければ、大学でのテストでも点は取れません。だからこそ、難関大学であればあるほど難しい文章の理解が問われ、その要約力を試されるのでしょう。難しい大学ほど要約書かされませんか?気のせい?

私の大学はあんまり要約課してませんでしたそういえば…。

過去問を見ても研究書に近い文章を出している学校もあったりしますね。

  駿台の小論文の参考書には、高校生のうちに読みたい学問入門に良い文書が載ってます。とちらかというと大学生が読むような本です。

  そもそも岩波ジュニア新書やちくまプリマー新書というシリーズは中高生向けに学者が書いた本です。本屋でタイトル見てきてください。いきたい学部を見つけるにもとてもいいと思います。この辺は追々。

■社会現象を数字で示すにはやはり数学
  数学といっても、直接使う学問分野は少し限られています*1
  大学でも特定の科目でしか数学を使わないかもしれません。そもそも、数で表せないものを扱う分野も多いからです。
  しかし、数で示したときの説得力は強いものがあることはみなさんもおわかりでしょう。「統計」を扱えればより説得力のある研究ができるかもしれません。使えた方が絶対にお得です。
  最近は高校でも統計の初歩を学ぶみたいでとてもうらやましいです…。
  統計以外でも、特に買い物などの経済行動を捉えようとする現代経済学は、ほぼ数学でできていたりします。企業の生産量が変わると物の価格がどう変わるか、そして消費者はどれくらい得をするのか、などを数式やグラフで表現することが現代経済学の出発点です。グラフが出てきたら色々出てきてしまいます。○次関数とか、微分積分とか。
  本格的に学びたい人は数学IIIまで履修しておくことをおすすめします。とくに微分

*1:とはいえ、数学を全て避けられる分野はあまりないし、避けられても異国語や難解な文章と格闘する運命です。社会現象を詳しく分析したり主張するには数式や論理、難解な言葉が必要なようです

全教科 使う参考書

数学
なぜこれをおもいつくのか、普遍的な切り口がポイント。

総合的研究(本質の)

(express10日数学)
10日数学
重要問題集(志望に合わせてAB選択)

英語
五文型と品詞、動詞を基本に役割を解釈
入門英文解釈教室
Or エスト英語構文
Or ルール39

Rise構文解釈1

(全解説構文)

スクランブル英文法語法

英文読解の着眼点

ネクスト英単語3600

現代文
現代文解釈の基礎
現代文読解の基礎講義
センター現代文解釈の新技術

重要現代文用語

古典
要点整理 古文漢文

頻出 古文単語400
古文解釈の実践

漢文 句型と云々
やさしい漢文

政治・経済
教科書
ニュース解説室へようこそ
モリーバンク(資料・論述)

倫理
もういちど読む倫理
パスポート倫理(論述)
正義論の名著(ちくま)

日本史
文英堂or学研 要点整理
教科書

表解板書

世界史
文英堂or学研or山川 要点整理
教科書

国別or完全整理

生物
角川 完全
教科書(東京書籍or数研)

センター 文英堂

重要問題集
論述 新書

化学(数研)
入門精巧
反応経路図 新書
重要問題集

地学
教科書
くわしい地学の新研究
地学用語集
セミナー、リードなど

物理 専門外

勉強方法総論I

何を用意するか
科目ごとに大きく違いますから、一概には言えませんが、わたしは各分野で薄いまとめ本とわりと厚い説明本を用意することをお薦めします。

暗記科目
暗記については覚えようとせず、リラックスして何度も何度も読むのがお薦めです。その際、同じ分野を違う本で読むとかなり記憶に定着します。
社会科や生物,地学などではハンドブックなど、広い内容が薄くまとめられた本が売られています。そういう内容の本を用意し、まずは薄い本で概要を掴み、同じ分野を分厚い参考書でもう一度読む。

暗記科目を論述式で使う場合は特に、読むときは余白に要約を書くのもいいと思います。要約を頭のなかで構成することで、その論理が記憶によく残ります。線を引くこともおすすめです。この点に関しては現代文の勉強が非常に役立ちます。
線を引く場所を探すこと、線を引くことでゆっくりと読むことになることが重要であり、色をつけることに意味があるわけではないと思います。

純粋に暗記をする場合には、覚えやすく整理をし直すことも効果的です。長々とした部分を図表で整理してください。大量の情報を、いかに少ない時間で把握するか、という視点でノートを作ってみましょう。これは追々例を示したいと思います。

初めから問題集を解くな

参考書をどう読むか
誰しもやり始めはやる気に満ちています。最初のページから丁寧にやっていこうとするんだと思います。

問題集をどう解くか

過去問をどう使うか

英語の勉強について①[英文読解]

こでは自分の大学くらい(地方国立文系)のレベルまでを念頭に、後輩向けに大学受験勉強方法の一例を記しておきます。もっとも、本当に勉強すべき人はこういうページを読んだりしないかも知れませんが。のちのち、参考書の読み方や勉強計画の建て方なども書く予定です。

いま、わたしは大学受験の英語を教えたりしています。
受験時代から参考書マニアでしたのでかなりの蔵書と知識があります。

文読解
わたしは英語は読むこと、書くことが重要だと考えています。なので話せませんし聞けません。でも筆談はできます。日本人はまずはそこからじゃないでしょうか。少なくとも受験は依然そういうものです。

まずは読解のための文法から勉強を始めることを勧めます。英文法の問題を解くにも、5文型がわかっていた方がはかどるし、品詞の区別がわからないうちに関係代名詞やら分詞やらを理解するのは困難なはずです。読解にはこういう内容が重視されています。そのぶん文法事項があやふやなまま読まなければならない部分も出てきますが。

英文が読めるようになるには、ひたすら読むだけで出来るようになる方も居ますし、人それぞれだと思いますが、読める人は結構共通した読み方をしているように思います。勉強方法としてはその読みかたを学ぶのが近道でしょう。

それを念頭に教えようとしているわけですが、なかなか難しい。中堅~有名私大を狙う高校2年から3年の子達を教えていますが、そんな子達でもまず品詞の理解が全くだめです。五文型を理解している人はかなりめずらしいです。高校などではどんな教えかたされてるんでしょうかね。

まず名詞とはなにか、動詞とはなにか、形容詞とは、副詞とは。これを理解していてくれないと五文型を教えられませんし英文に入れません。もちろんそういった概念を知らなくても慣れで読める方もいますが、受験生にはあんまりいません。

ですから高校生の皆さんにはまず副詞とはなにか、説明できるようにしておいてほしいです。副詞まで説明できる人はなかなか稀です。
副詞とは文中でどのように働きますか。
品詞の機能と五文型を理解することは遠回りに見えて、近道だと考えます。

高校生の現状と品詞の重要性は伊藤和夫先生が英文解釈教室に入門編まで用意された理由によく現れていると思います。しかしもっと手前の中学英語からやり直す必要がある気もいたします。その方が早いかもしれませんね。

中高ではきちんと品詞を教えてください。

【参考書】

英文読解(というか英語)への入門として何冊か紹介します。

I my me mineを聞いたことがないという人は、中学英語をやり直しましょう。

形容詞と副詞の違いをはっきりとは説明できない人は、まずは検索でもしてしらべてください。そして『英文解釈教室 入門編』を読むことをおすすめします。言葉遣いも古めかしく、名詞と動詞の区別から入る割に、名詞の説明に前置詞が出てきてしまうという完全な初心者向きとは言えない本ですが、我慢して読み進めると意外と面白いと感じられるのではないかと思います。レイアウトもかなり勉強しづらいですね。でもそういう本を工夫してノートにまとめたり書き込んだりしながら読んでいく過程で色々身についていくんです。これはこれでいいんです。副詞が何かわかっていないような人は勉強に慣れましょう。

→文法用語が理解できるようになり、英語と日本語の違いがわかり、文型とは何なのかがわかるようになると思います。次は文法問題にも手をつけていけますね。

 

形容詞も副詞も何となくはわかっているものの、補語が何かはよくわかっていないには『中学英語の基本と仕組みがよくわかる本』をおすすめします*1

エスト英語構文』をおすすめします。簡単な例文が最初に載っていて、その訳しかたを丁寧に説明してくれています。

やりかたの例

KEYと書いてある例文の下には、英文を読む上で必要なすばらしい解説が載っています。ここを読んで、チェックの短い英文を訳していきましょう。他のページにもエクササイズがありますが、1週目はとばした方が賢明です。できるだけ早くざっと1周するとが勉強のコツです。味気ない色遣い、味気ないデザインですが、勉強をしやすいレイアウトで、間違いなく実力のつく本です*2

→品詞と5文型、最低限の文法事項は身につくと思います。あとは文法問題や解釈の勉強ですね。

あ、上記①・②は両方呼んだりする必要はありません。どちらかで十分です。

    

*1:・・・が、絶版のようですね・・・。受験生向けでもないし仕方ないんですかねえ・・・もったいない。予備校講師が軽薄な解説をするような本ではなくて、品詞としての動詞と文中での動詞の違いなど、かなり根本的なすばらしい解説をしている本だったのですが・・・。

*2:まあこれも学校用なので市販されてはいないのですが。