大学と受験科目のつながり

どうして勉強させられるの?

大学の学問と高校の勉強のつながりが強調されることはほとんどありませんね。これが分かれば大学の先生の出題意図や勉強が必要な理由がわかるかもしれません。私は高校時代に教えてほしかったです。。

そこで、社会科学系の学問について、つながりを見ていきたいとおもいます。

■大学で最も役に立つ受験科目は現代文

大学での勉強に最も役立つ受験科目は、現代文だと思います。
  大学での勉強の基本は、なんといっても研究とはなにか、を理解することにあります。大学のテストでも大体そういうことが聞かれて、論述させられたり計算させられたりします。
  それにはとにかく読むことが必要です。これを読めばすべてわかる、というものはありませんので…。

  文系の研究(教科書や論文)は、性質上、数式よりも言葉による説明が多く、文章を的確に読み書くことが何よりも重要です。けれど論文は長々としていて、結構難しくかかれています(数字や統計を扱う分野においても、まず文章を読むことが重要です)。

  現代だけでなく、社会や人に関する研究には数千年の歴史があります。すべての文系の研究のルーツは、先人たちが書いた古い古い本たちにあります(古典と呼びます)。古典から次々に様々な新しい学問が枝分かれしていくイメージです。
  そのため、古典には色々な分野の研究のもとになった、共通する考えが書かれていて、とても重要です。しかし、古典は難しい。

  研究にとってだけでなく、古典は社会人にとっても大切な教養です。いろいろな古典から、人類がどのような考え方で社会をつくってきたのかを理解することが、過去の過ちを繰り返さないためにも重要です。現代社会は一部の人に任せておけば社会や政治が動くような仕組みではないため、いち市民にとっても古典は大切です(一人の力なんて小さいものだ、と思うかもしれませんが、研究を読んでいくとそうでもないことがわかると思います)。
  しかし、古典はほんとうに難しい。あと例示しましょうか?よみ
ますか?

※ここで言う古典とは、平安時代の古文などではなく、様々な国や時代に書かれた学問的文章のことで、多くは現代日本語に訳されています(岩波文庫と検索してみてください)。

  論文や古典的著作ような、長くて難しい文章を的確に解釈・理解し、自分のことばで要約することが大学での勉強の第一歩です。

正しく理解できなければ、大学でのテストでも点は取れません。だからこそ、難関大学であればあるほど難しい文章の理解が問われ、その要約力を試されるのでしょう。難しい大学ほど要約書かされませんか?気のせい?

私の大学はあんまり要約課してませんでしたそういえば…。

過去問を見ても研究書に近い文章を出している学校もあったりしますね。

  駿台の小論文の参考書には、高校生のうちに読みたい学問入門に良い文書が載ってます。とちらかというと大学生が読むような本です。

  そもそも岩波ジュニア新書やちくまプリマー新書というシリーズは中高生向けに学者が書いた本です。本屋でタイトル見てきてください。いきたい学部を見つけるにもとてもいいと思います。この辺は追々。

■社会現象を数字で示すにはやはり数学
  数学といっても、直接使う学問分野は少し限られています*1
  大学でも特定の科目でしか数学を使わないかもしれません。そもそも、数で表せないものを扱う分野も多いからです。
  しかし、数で示したときの説得力は強いものがあることはみなさんもおわかりでしょう。「統計」を扱えればより説得力のある研究ができるかもしれません。使えた方が絶対にお得です。
  最近は高校でも統計の初歩を学ぶみたいでとてもうらやましいです…。
  統計以外でも、特に買い物などの経済行動を捉えようとする現代経済学は、ほぼ数学でできていたりします。企業の生産量が変わると物の価格がどう変わるか、そして消費者はどれくらい得をするのか、などを数式やグラフで表現することが現代経済学の出発点です。グラフが出てきたら色々出てきてしまいます。○次関数とか、微分積分とか。
  本格的に学びたい人は数学IIIまで履修しておくことをおすすめします。とくに微分

*1:とはいえ、数学を全て避けられる分野はあまりないし、避けられても異国語や難解な文章と格闘する運命です。社会現象を詳しく分析したり主張するには数式や論理、難解な言葉が必要なようです